小児看護の基本

子どもの退院指導のポイント

看護師
看護師
今回はおうちでの健康指導ではなく、病院で行う子どもの退院指導について紹介します

子どもの退院指導

入院中における退院の目安は「治療を終え、日常生活を送れる状態」もしくは「自宅でも行える治療で日常生活を送れる状態」になることです。

内服や感染予防行動を全く必要とせずに退院することはまれであり、何かしらの治療や行動制限がされることがほとんどです。

子どもの退院についても同じことがいえます。

子どもの場合は保護者がキーパーソンであり、保護者が退院の説明(退院前IC)を受けます。退院後の子どもの生活は保護者が管理していくことになります。

だからといって子どもが退院後の注意点について全く知らなくていい、ということはありません。

年齢に応じて指導内容の工夫は必要ですが、子どもが退院後の生活をイメージできるようになると、今後の健康や病気の捉え方にいい影響を与えます。

退院指導の前に情報収集を

子どもに退院指導をする場合、以下のことについて情報を集めましょう。

  • 病気や治療をどうとらえているのか
  • なんで退院(家に帰れる)できると考えているのか
  • 退院してやりたいことは何か
  • 発達年齢
  • 学校生活(授業や部活、行事)
  • 好きなキャラクター
  • 好きな遊び

特に「病気や治療をどうとらえているか」は看護領域でいう「健康概念」や「価値観」に当たるものであり、どうアプローチしていくかに大きく関わります。

「体はだるいし、採血や注射は痛い、学校にもいけないからもう病気になりたくない」と捉える子どももいれば、「病気になって入院しても点滴したらよくなるからいいや」と捉える子どももいます。

「薬を飲めば入院する必要がなくなるよ」という指導が届かない場合や逆効果になることもあるのです。

子どもの退院指導のアイデア

実際にわたしが行った退院指導やみてきた退院指導を紹介します。

パンフレットをつくる
絵本や漫画をつくる
クイズ形式を取り入れる
スタンプカードをつくる
お薬ボックスを一緒につくる
疑問点を明らかにし一緒に医師に聞きにいく
看護師
看護師
アイデア同士を組み合わせても面白いですよ

 

子どもの退院指導についてご紹介しました。

「子どもにいってもわからない」「保護者がいるから平気」と思わず、子どもの今後の健康増進力を高めるためにも退院指導を大切にしましょう。