子どもの看病のしかた

発熱時のケア

保護者
保護者
子どもが熱を出した!どうしよう…
看護師
看護師
発熱時の看病のポイントを紹介します。

子どもの発熱時のケア

熱ってなんででるの?

発熱の原因

子どもはよく熱をだします。

わたしも保育園の医務室で熱のある子どもと関わるたびに、こんなにも子どもは熱をだすのか、とびっくりしたことがあります。

子どもの発熱理由
  • ウイルスや細菌などの感染症
  • 膠原病(こうげんびょう)などの自己免疫疾患
  • アレルギー性疾患
  • 白血病などの悪性新生物

膠原病や悪性新生物と聞くとドキッとする保護者の方もいるかもしれませんが

発熱のほとんどの原因は「感染症」です。

熱がでてもすぐ下がるときがあるのはなぜ?

子どもはホメオスタシス(体のバランスを維持するシステム)が未熟であり、体温を調節する機能も未熟です。

大人に比べて、体温が外部の温度(気温)に応じて変化しやすいため、夏などの高温の外部温度下でも体温が上昇します。

この場合「発熱」ではありません。

室温調整や掛物や衣類を調整して再度検温してみましょう。

発熱時、ここに注意しよう

発熱時は体温の上がり下がりだけでなく、全身状態を観察するようにしましょう。

機嫌

子どもの全身状態を観察するときに、病院や保育園でもまず機嫌に注目します。

  • 笑顔はあるか
  • 発語はあるか
  • 遊べる余裕はあるか
  • 泣いてもあやすとすぐに泣き止むか

ポイントは元気なときと何が違うかです。

病院受診時にも聞かれることが多い項目なので答えられるようにしましょう。

食事・睡眠・排泄状況

次に生命を維持する行為ができているか注目をしましょう。

  • 食欲はあるか(何なら食べられるか)
  • 眠ることができているか
  • 眠りを妨げる要因はないか(咳や鼻づまりなど)
  • 尿の出はいつもと変わりないか
  • 尿から異臭はしないか
  • 下痢はないか

機嫌の観察と同様にいつもと何が違うかに着目しましょう。

近くで流行している病気はないか

感染症の流行時期の発熱はそれらが原因である可能性が高いです。

家族で同様の症状はないか、保育園や幼稚園、学校で流行っている感染症はないかを把握しましょう。

発熱時のケア

①安静にする

発熱時は体⼒の消耗が著しいです。無理をせず横になって休ませましょう。

子どもが横になりたがらないときは、静かに遊ばせます。

一緒に横になって絵本を読んだり、簡単な手遊びをしたりするのがおすすめです。

②水分補給をする

体温が高くなると汗をかきます。

体から水分が抜けると脱水症を起こす可能性があります。

吐き気がなければ水分をこまめに飲ませるようにします。

「お水、冷たくて気持ちいね」「お水をのむとラクになるよ」といった声かけをしてみましょう。

③不快を緩和させる

発熱にはさまざまな不快が伴います。ひとつずつ改善しましょう。

  • ⼿⾜が冷たいときや震えているときは、掛物や室温の調整で体を温める。
  • 体が熱いときは、薄着にする、首や脇、鼠径部を冷やす。
  • 汗をかいているときは、こまめに汗を拭き、濡れた衣服は交換する。

発熱時の冷却は解熱ではなく気持ちよさを目的にしましょう。むやみに体を冷やすのではなく、子どもの声を聞きながら調整します。

解熱剤は医師の指示の元、用法用量を守って使用しましょう。

 

子どもの発熱にあわててしまう、何をしたらいいか不安になってしまう方もいるかもしれません。

上記のような全身観察や看病も大切ですが、子どもにとって安心できるひとがそばにいることは何よりの回復の素です。

熱が高い時ならではの家族の時間を大切にしてみましょう。
 

渋谷紀子(2019)『はじめてママ&パパの0~6才病気とホームケア』主婦の友社