子どもを育てることが苦手なんて、親としておかしいですよね…
ここでは、小児科看護師目線での子育てのアドバイスをお伝えします。
【大前提】子育てはみんな「初めて」ということ
世間一般的に「親=子育てができて当たり前」と思われがちですが、実は違います。
新入生、新人、新入社員、新参者…と初めての環境では「新しい人」とカテゴライズされるのと同様に、パパやママも『新米親』なのです。
新人には教育係がついたり、仕事になれるように周囲の人がサポートをするのは当たり前です。
ですが、親は子どもが産まれたら、何も教わることなしに子育てがはじまります。
(教わるといっても両親学級くらい)
何も教わらずに子育ての世界へポイっと投げられ、つらい、しんどい思いをするのは至極当然のことなのです。
負のスパイラルの根源は睡眠不足
子育てがしんどくなる原因は、さきほど述べたとおり、初めてかつ何も教わってないことによる「知識不足」があります。また、さらにその大変さに拍車をかけるのが「睡眠不足」です。
消化機能がまだ未熟な赤ちゃんは3時間おきに母乳やミルクが必要です。それは昼間だけではなく夜間もです。授乳間隔の3時間を全て休めればいいですが…そんなこと無理なのは経験された方ならわかるはず。
(ミルクを用意して、オムツを替えて、飲ませて、ゲップさせて、寝かしつけさせて…)
睡眠不足が続くと、家事や育児の効率が低下し、入眠時間が削られさらに睡眠不足になり負のスパイラルになります。
子育てする上で大切なのは、まずは保護者の「睡眠時間の確保」です。
子育て中はこのマインドを常に心に
なぜ子育てが大変なのかはわかったけれど、じゃあどうしたらいいの?と悩む方へ、何百人と子どもとその家族に関わってきた小児科看護師が大切にすべきマインドについて説明します。
①子どもは勝手に育つ
世の中にはいろいろな育児書があります。ベビースクールやキッズスクール、習い事もさまざまです。それぞれ「こういう子になりますように」という目標があると思いますが、率直に言うと、何をしてもしなくても子どもは育ちます。
からだがくにゃくにゃで、泣くか飲むか寝るかしかできない子でも、いつかは首が座り、いつかは泣き止み、いつかは自立します。
「親のかけた苦労=子どもの成長度」ではけっしてないのです。
②あらゆるリソースを使う
- 親、兄弟、親戚
- 保育園、幼稚園
- ベビーシッター
- 行政の子育てひろば
- 家事代行サービス
- ショートステイ
育児サポートにはたくさんの種類があります。民間だけでなく行政主体のサポートもあるので各自治体に問い合わせてみましょう。例えば、東京都港区は、理由を問わずに子どもを預けることができる一時預かりがあります。(500円~600円/1時間 ※2023年7月現在)
また、利用には事前登録や面談が必要な場合もあります。もう無理…とギリギリになる前に、どのようなサポートがあるのか、どうやったら利用できるかを予め調べておきましょう。
③子どもを預けることに罪悪感は必要なし
②で述べたリソースの利用に対して罪悪感を感じる方もいらっしゃると思います。
断言します。そのような罪悪感を感じる必要は一切ありません!
「子どもを育てるのは親が当たり前」と思われがちですが、わたしが思うに、そもそもひとりの人を育てることを世間は親に丸投げしすぎなのです。
子どもの親であると同時に、わたしたちはひとりの人間です。子育て以外にもやるべき、重要なことはたくさんあるはずです。子どもの親はあなただけです。でもあなたにしかできない他のこともたくさんあるはずです。
頼れるものは頼りましょう。
子どもを専門にする職種の方はみなさんプロフェッショナルです。子ども大好き!という方ばかりです。子どもをプロに預けるということは、愛情が減る行為ではなく、愛にあふれた行為なのです。
美味しいものを食べて、よく眠って、元気になったパパやママは子どもにとっても嬉しいものですよ。
まとめ
誰しもがはじめての「子育て」
看護師として関わる中で、真面目で一生懸命なパパママこそ、ひどく疲れてしまうことが多い印象です。
ぜひ、ギリギリになる前に、頼って、よく寝て、ゆっくり休んでくださいね。