嘔吐の原因
赤ちゃんの胃の入り口は締まりがゆるやかであり、吐きやすい構造になっています。
授乳後に口からタラっと吐くのは「溢乳(いつにゅう)」といわれており、問題はありません。
病気が原因の嘔吐には、
- 感染性胃腸炎
- 胃や腸のどこかが詰まっている
- 髄膜炎や脳症
などがあります。
いずれも嘔吐の状況や、嘔吐以外の症状を観察することが大切です。
嘔吐のときに観察すべきポイント
- 機嫌はいいか
- 食欲はあるか
- 水分はとれているか
- 体重は増えているか
- 熱などのほかの症状はないか
- 何をきっかけに吐いたのか
- 1日に何度も吐いていないか
- 吐き気は治まっているか
- 顔色は悪くないか
- 脱水症状はないか
- 直前に頭を強打していないか
- 意識ははっきりしているか
水分をとってもすぐに吐いてしまう場合はすぐに受診をしましょう
嘔吐のケア
①嘔吐物の処理を⾏う
嘔吐物は感染源になり、臭いは吐き気を誘発させます。
嘔吐物はすみやかに覆い、窓を開け換気をしましょう。
衣類やシーツに嘔吐物が付着したらすぐに取り換えます。
大人も処理にバタバタしてしまいがちですが、「もう大丈夫だよ」「げーげーびっくりしたね」といった優しい声かけを行いましょう
大人が2名以上いる場合は、ひとりは子どもに付き添い、もうひとりは嘔吐物の処理を行います。
特にノロウイルスは感染力が非常に強いので嘔吐物が残っていると家庭内感染が起こる危険性があります。
②口のまわりをきれいにする
吐いた後に口に嘔吐物が残っていると気持ち悪くなりますよね。
口まわりについて嘔吐物はぬるま湯でしぼったガーゼなどで優しく拭きましょう。
うがいのできる子どもの場合、うがいをさせます。
うがいのできない子どもの場合、嘔吐を誘発させないよう⼝腔内に残っている嘔吐物を丁寧
に取り除きましょう。
③安静にする
嘔吐物の処理が終わったら、安静を保つようにします。
寝かせる場合には、嘔吐物が気管に入らないように体を横向きにしましょう。
吐き気が続くようならば、洗面器に新聞紙やキッチンペーパーを敷き、手の届くところに準備をします。
吐いたものがのどに詰まっていないか、脱水症状がないか確認しましょう
④落ち着いたら水分を摂取する
吐き気が落ち着いたらスプーンで1口ずつ水分を摂ります。
一度に大量に摂取すると吐き気を誘発する可能性があるため、5~10分おきに少量ずつ与えましょう。
嘔吐のホームケアのポイントは「嘔吐物の処理」「少量ずつの水分補給」です。
二次感染や脱水に気を付けながらケアをしていきましょう。
渋谷紀子(2019)『はじめてママ&パパの0~6才病気とホームケア』主婦の友社