保育園で行う健康教育・保健指導は、子どもを病気やケガから守るための「予防」となります。
毎月どんなテーマで行うか迷う方も多いのではないでしょうか?
月別の健康教育(4~6月)
4月
4月は毎月行う健康診断や身体測定についてお話してみましょう。
健康診断(内科)
健康診断は嘱託医(園医)が子どもたちの発育・発達状況の確認や異常の発見を行うものです。
慣れない子どもは園医を見ただけで泣いてしまう子どももいます。
- どんな先生がくるか
- どんなことをするか(お腹と背中をみせる、大きく口を開ける)
- それは痛くないこと
を伝えることで心の準備ができます。
身体測定
身体測定は子どもたちの身長や体重、頭囲、胸囲を測定し、発育状況を確認するものです。
乳児クラスでは、測定器に恐怖心を抱く子も多いので、測定前に測定器を触る機会を設けたり、大人を測る姿をみせたりして不安をやわらげます。
幼児クラスでは、衣類の着脱が自分でできるようになり、身体測定がどのようなものが理解できるようになるため、以下の身体測定の流れについて伝えます。
- パンツ以外の服を脱ぐ
- 順番に並ぶ
- 名前を呼ばれたら測定器へ
- 身長:頭、背中、かかとを柱につける
- 体重:乗ったら動かない
- 測定が終わったら服を着る
5月
新しいクラスに少し慣れた5月は、感染予防の基本となる手洗い指導を行ってみましょう。
手洗い指導
手洗い指導は2~3歳児クラスから実施することができます。0~1歳児クラスでは、保育者が言葉かけをしながら一緒に洗うようにします。
2歳児クラスでは手洗いの手順を歌にして歌いながら、3歳児クラスではエプロンシアターやパネルシアターを使いながら、4~5歳児クラスでは「手洗いがなぜ必要なのか」「手から感染する病気について」といった手洗いの知識を伝えながら指導をしていきます。
全クラス共通の手洗いの手順は以下の通りです。
- 石鹸をつけ、手のひらを洗う
- 手の甲を洗う
- 指の間を洗う
- 爪の間を手のひらで洗う
- 親指を洗う
- 手首を洗う
- 流水下で石鹸を流す
- ペーパータオルまたは個人用タオルで拭く
また、「手洗いチェッカー」というブラックライトを使用した手洗い指導は視覚的に楽しめ、子どもたちも積極的に手を洗うようになったのでおすすめです。
6月
6月4日は虫歯予防デーです。6月4日は何の日?という問いかけから歯磨き指導をはじめてみましょう。
歯磨き指導
歯磨き指導は主に幼児クラス(3~5歳児)で行います。
指導内容は以下の通りです。
- 絵本やパネルシアターを使用して虫歯はどうしてなるのかを伝える
- 歯ブラシの持ち方を確認する(3歳児:にぎる、4歳児~:鉛筆持ち)
- 歯の模型をや人形を使用して歯磨きの方法を説明する
- 歯ブラシの交換時期を伝える
- 歯垢染色液を使用してみがき残しをチェックする
最初は遊び感覚から始め、自ら「歯磨きをしたい!」という意欲につながるような介入を心がけましょう。
また、保護者に対しても、仕上げみがきの必要性をお便り等で知らせてもよいでしょう。
各クラスの状況をみながら実施しよう
新年度はクラスの状況が不安定になりがちです。
無理に健康教育をしようとせず、子どもたちの状況をよく把握してから行うようにしましょう。