咳はどうして起こるのか
咳は、体の中に入り込んだウイルスや細菌、またそれらを退治するために分泌された痰などを体の外に追い出す働きがあります。
咳のときに観察するべきポイント
体を守るために必要だといっても、長引く子どもの咳は心配になりますよね。
咳と一緒に観察してほしい項目を紹介します。
機嫌はどうか
激しい咳や持続する咳は体力を奪います。
- いつも通り遊べているか
- ぐずぐずしていないか、ぐすぐすが長引くか
- 食事や睡眠はとれているか
- 会話は減っていないか
を注意して観察しましょう。
子どもは呼吸が苦しい時に「苦しい」と言葉で訴えることは稀です。普段の状態と比べてどう元気がないかを把握できるようにしましょう。
咳はどんな音か
- ゴホンゴホン
- ゼイゼイ
- ヒューヒュー
- ケーンケーン(犬の遠吠え)
- オウッオウッ(アザラシの鳴き声)
これらの咳は深刻な病気が隠れている場合があります。かかりつけ医を受診しましょう。
熱はないか
発熱があると何らかの感染症が疑われます。また、体力も消耗しやすくなります。かかりつけ医の受診をおすすめします。
発熱時のケアも参考にしてみてください。
咳のケア
①楽な姿勢にする
横に寝かせるときはクッションなどで上体を起こすと呼吸が楽になります。
乳児の場合、縦抱きにして背中を軽くトントン叩くと痰がでやすくなります。
保護者に抱かれることで安心感を与える効果もあります。
②室内を加湿をする
室内の乾燥は気道粘膜の乾燥、刺激につながります。
加湿器の使用や室内干しをして湿度50%を目安に加湿をしましょう。
③こまめに換気をする
寒くても数時間おきに窓を開け、新鮮な空気を入れ替えます。
タバコの煙はのどを刺激します。
タバコは絶対に吸わないようにしましょう!
④水分補給をする
水分補給はのどの乾燥を防ぎ、痰をだしやすくします。
水分をこまめに摂取し、食事は口当たりのいいものを選びましょう。
この咳は病気が原因ではないかも?
子どもが急に咳き込んだら、「誤嚥(ごえん)」を疑いましょう。
誤嚥は、口にいれて飲みこんだものが気管に入ってしまうことをいいます。
最悪、気管支が異物で塞がり呼吸ができなくなります。
ボタンやビーズ、ピーナッツなど誤嚥のリスクが高いものはしっかり管理しましょう。
咳は体力を奪い、安楽な時間を妨害します。子どもがラクに過ごせるようなケアを考え行っていきましょう。
渋谷紀子(2019)『はじめてママ&パパの0~6才病気とホームケア』主婦の友社